子供の習い事は予想外の成功だった

 

“小学生のとき、私が2年ほど通っていた習字の習い事は、親に言われ嫌々だったため、上達せず終わってしまいまし
たが、4級まで取得しました。

学校の習字の時間に文字を書いているはずなのに、画数が多過ぎる私の名前は、バランスが悪く、ただ5個の黒丸が並んでいるだけになっていたのが嫌いだった理由でした。

漢字の画数が少なく、きれいにお題が書けても、名前で台無しになった習字を廊下に張り出されたうえ、ランクづけされたときがあったことも嫌いだった理由でした。

私が書いた習字に、金賞や銀賞が表示されたことは1度もありませんでした。

そんな小学生時代から20年ほど経過し、子供が生まれた私は親になりました。

小学校の国語の授業で、子供が書いたノートの字を見た先生の連絡帳に「何が書いてあるかわからないので、習字を習ったほうがいいかもしれませんね。」と書かれていました。

「ベテランの人」と聞いていた担任の先生がお手上げの、子供が書いた酷く乱れた字を見た私は、習字の塾に行かせることにしました。

習字の塾でじっと正座していられるのか心配しましたが、学校で自分だけひらがなが書けない悩みがあった私の子供は、鉛筆の持ち方から教えてもらいました。

習字の先生が、私の子供の字が下手な原因を見つけてくれました。

筆圧が弱く、滑って書けないことが原因だったため、芯が軟らかく濃い4Bの鉛筆を太めに削り、書く練習をしていました。

習字の先生のお手本を見ながら、十字の線が入った1マスに、バランスよく1文字を書いていく練習をしていました。

当初、自分の名前を練習したあと、ひらがなで短い文を書いていました。

お手本どおりに書けない赤字で直された字が書けるまで、帰って来られないときもありました。

週に1回、3時間の練習に文句を言いながら、休まず中学2年まで通い続け、9段まで取得できました。

こんなに続けるつもりはなかった私の子供が、教師をしている親戚の叔父に「高校受験のとき、字が汚いだけで減点になる恐れがある」と言われ、通い続けました。

子供が通っていた習字の塾は、「習わせてみたいけれど、どうしよう」と迷っていた親御さんもいたほど、厳しさでは有名だったことをのちに知りました。

子供だけではなく、海外で行われる大会の出場を目指し、遠方から通っている大人の方がいることも知りました。

私の子供に友だちに後れたくない、学校主催の書初め大会で上位に入りたい気持ちがあっても、特別何かを目指しているわけではありませんでした。

そんな中、通っていた甲斐があり、小学校の書初め大会でよい成績をもらった私の子供は、全国の小学生書道大会で銀賞をいただきました。

「銀賞をもらった」と聞かされても、信じられませんでした。

親として、「普通に読める字を書いてくれればよい」と考えていた私の見えないところで努力していました。

その後合格した高校の授業で早く書いても、友だちにノートを見せられるほど崩れないきれいな字を書いていまし
た。

ほかにやりたいことができた現在、習字は止めてしまいましたが、将来、冠婚葬祭ののし袋に堂々ときれいな字が書けるでしょう。

結果を残せなかった私の習い事に対し、子供は予想外の成功を収めました。

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